遺族年金の仕組み

「朝は空気が澄んでいて気持ちがいいですね。毎日、近くの公園を散歩するのが日課なんです」皆さま、こんにちは。60代向け健康情報メディアのライターです。今回は、人生設計において重要な要素の一つである「遺族年金」について、わかりやすく解説していきます。遺族年金という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな制度なのか、誰が受け取れるのか、いくら受け取れるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。

私も以前はそうでした。「自分は夕方派。理由は、一日の終わりにゆっくりと読書を楽しむ時間が好きだから」…と話が逸れましたが、遺族年金は、万が一のことがあった場合に、残された家族の生活を支える大切な制度です。今回は、そんな遺族年金の仕組みと受給条件について、対象者や受給金額の違いを交えながら、専門用語を極力使わずに、親しみやすい言葉でご説明いたします。ぜひ、ご自身のライフプランにお役立てください。

遺族年金とは?基本のキ

遺族年金とは、国民年金や厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた遺族に支給される年金のことです。遺族の生活を保障することを目的としており、大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金に加入していた方が亡くなった場合に支給される年金です。受給できる遺族は、亡くなった方によって生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」に限られます。ここでいう「子」とは、18歳到達年度の末日までの間にある子(障害等級1級または2級の状態にある場合は20歳未満)を指します。

つまり、お子さんがいない配偶者や、お子さんが既に成人している場合は、遺族基礎年金を受け取ることはできません。制度上、お子さんのいる家庭を重点的に支援する仕組みとなっています。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に支給される年金です。遺族基礎年金と異なり、受給できる遺族の範囲が広がります。具体的には、以下のいずれかに該当する方が対象となります。

  • 配偶者
  • 父母
  • 祖父母

ただし、これらの遺族が必ず全員受給できるわけではありません。受給できる順位が定められており、上位の順位の遺族がいる場合は、下位の順位の遺族は受給できません。順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母の順となります。

また、配偶者には年齢制限があり、原則として30歳未満の配偶者の場合は、受給期間が5年間に限定される場合があります。ただし、お子さんを養育している場合は、この制限は適用されません。

誰が受け取れる?遺族年金の受給条件

遺族年金を受け取るためには、亡くなった方が一定の要件を満たしている必要があります。ここでは、遺族基礎年金と遺族厚生年金それぞれの受給条件について詳しく見ていきましょう。

遺族基礎年金の受給条件

遺族基礎年金を受け取るためには、亡くなった方が以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

  • 国民年金に加入中であった
  • 国民年金に加入していた60歳以上65歳未満の方で、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていた
  • 老齢基礎年金の受給権者であった
  • 上記以外に、過去に国民年金に加入しており、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した期間が25年以上ある

また、2026年(令和8年)4月1日より前に亡くなった場合は、上記の条件に加えて、「死亡日の前々月までの1年間に、保険料の未納期間がないこと」という条件がありました(保険料納付済期間が3分の2以上ある場合は除く)。しかし、2026年4月1日以降に亡くなった場合は、この条件は撤廃されます。

遺族厚生年金の受給条件

遺族厚生年金を受け取るためには、亡くなった方が以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

  • 厚生年金保険に加入中であった
  • 厚生年金保険に加入していた期間に、初診日がある病気やケガが原因で、初診日から5年以内に亡くなった
  • 老齢厚生年金の受給権者であった
  • 老齢厚生年金の受給資格期間を満たしていた

遺族厚生年金の場合も、遺族基礎年金と同様に、2026年4月1日より前に亡くなった場合は、保険料の未納期間に関する条件がありましたが、2026年4月1日以降は撤廃されます。

いくらもらえる?遺族年金の受給金額

遺族年金の受給金額は、亡くなった方の加入状況や、遺族の構成によって異なります。ここでは、遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給金額について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

遺族基礎年金の受給金額

遺族基礎年金の受給金額は、以下の計算式で算出されます。

  • 795,000円(令和6年度の満額)+子の加算

「子の加算」とは、子がいる場合に加算される金額のことです。1人目と2人目の子は、それぞれ1人あたり228,700円が加算されます。3人目以降の子は、それぞれ1人あたり76,200円が加算されます。

例えば、配偶者と2人の子がいる場合、遺族基礎年金の受給金額は、795,000円+228,700円×2=1,252,400円となります。

配偶者がおらず、子が遺族基礎年金を受給する場合は、1人目の子に795,000円、2人目の子に228,700円、3人目以降の子に76,200円がそれぞれ加算されます。

遺族厚生年金の受給金額

遺族厚生年金の受給金額は、亡くなった方の厚生年金の加入期間や、報酬額によって異なります。具体的には、以下の計算式で算出されます。

  • 亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分×4分の3

「報酬比例部分」とは、厚生年金の加入期間や、加入期間中の平均報酬額に基づいて計算される金額のことです。この金額に4分の3を乗じたものが、遺族厚生年金の受給金額となります。

ただし、遺族厚生年金の受給金額には、最低保障額が設定されています。加入期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算されます。

また、配偶者が遺族厚生年金を受給する場合、一定の条件を満たすと「中高齢寡婦加算」が加算される場合があります。中高齢寡婦加算は、40歳から64歳までの配偶者に対して支給されるもので、令和6年度の金額は596,300円です。

知っておきたい!遺族年金の注意点

遺族年金は、残された家族の生活を支える大切な制度ですが、いくつか注意点があります。ここでは、特に知っておきたい注意点について解説します。

年金の併給調整

遺族年金を受給する場合、他の年金との併給調整が行われる場合があります。例えば、自身の老齢年金と遺族年金を両方受給できる場合、どちらか一方を選択する必要があります。

また、遺族年金と雇用保険の失業給付を同時に受給することはできません。失業給付を受給する場合は、遺族年金の支給が停止されます。

再婚した場合

遺族年金を受給している配偶者が再婚した場合、遺族年金の受給権は失われます。ただし、再婚相手が亡くなった方の直系血族(例えば、亡くなった方の親や兄弟)である場合は、受給権は失われません。

所得制限

遺族年金には、所得制限はありません。つまり、遺族年金を受給していても、他の収入があっても、遺族年金の受給額が減額されることはありません。

請求手続き

遺族年金を受給するためには、請求手続きを行う必要があります。請求手続きは、年金事務所や街角の年金相談センターで行うことができます。請求手続きには、亡くなった方の年金手帳や戸籍謄本、住民票などが必要となります。詳細は、年金事務所にお問い合わせください。

まとめ:遺族年金は大切な生活の支え

今回は、遺族年金の仕組みと受給条件について解説しました。遺族年金は、万が一のことがあった場合に、残された家族の生活を支える大切な制度です。受給できる対象者や、受給金額は、亡くなった方の加入状況や、遺族の構成によって異なります。

「もしもの時のために、知っておいて損はない」と私は思います。将来設計のためにも、一度ご自身の状況を確認してみることをおすすめします。ご不明な点があれば、年金事務所や専門家にご相談ください。

この記事が、皆さまの安心な老後設計の一助となれば幸いです。